第52回 人工知能学会 分子生物情報研究会(SIG-MBI)

日時:2013年3月29日(金) 13:00より
          30日(土) 15:00まで(予定)

場所:北陸先端科学技術大学院大学(JAIST) 知識科学研究科講義棟2F中講義室

内容:初日は SIG-MBI の研究発表です。特にテーマを限りませんので、奮って御応募下さい。

初日の発表希望者は、概要を以下の様式で佐藤 (ken@t.kanazawa-u.ac.jp) までお送り下さい。

著者(講演者に◯)、所属
代表者の連絡先
講演タイトル
講演概要(数行程度)
希望講演時間(分)

★ Subject: には必ず「発表希望」と御書き下さい。★

採択およびプログラム編成は世話人にご一任下さい。

二日目は、オープンバイオ研究会主体で、近年の新しい技術動向を
ふまえて、今年は「これからの生命情報科学を考える」をテーマに
4コマプレゼン(起承転結4枚のスライド)による発表と
ディスカッションを行いたいと考えています。

前回の研究会(NGS現場の会・オープンバイオ研究会・
生命情報科学若手の会・定量生物学の会 - 4会合同シンポジウム
「これからの生命科学を考える」)では、ドライ・ウェットの
両面から刺激的な発表が多数ありました。一方で、内容が多岐に
わたったこと、時間が限られていたことから、もう少し議論を
深めたいという声もあったようです。

そこで今回は、オープンバイオと生命情報科学をメインにしつつ、
発表内容を相互にプレゼンした後、ディスカッション中心の
ポスターセッションで議論を深め、最後に研究会の Wiki に
各自まとめて頂きたいと考えています。発表内容はご自身の
研究課題や上記テーマに関連する技術調査や提案など何でも
構いません。スライド4枚のプレゼンに簡潔にまとめてご参加
頂ければと思います(各自、電子版と印刷版をお持ちください)。

JAISTへの道程:
http://www.jaist.ac.jp/general_info/access/

小松空港からJAISTへの移動について:

JAIST送迎車(上記URL参照)の利用を希望する方は、必ず下記の情報を佐藤までお知らせ下さい。宿泊申込をされる方は、通信欄に書いて頂ければ結構です。
・利用する日
・飛行機の便名
・送迎車の便名(上記JAISTへの道程のページから辿れる送迎車運行表を参照)
・携帯電話の番号
但し、送迎車1便につき先着9名までなので、満席の場合はタクシー等に乗り合わせて来て頂くことになります。タクシーに4人乗車すれば1人1500円程度で済みますので、飛行機の便が確定している方は、事前に佐藤までメールでお知らせ下さい。同じ便に乗る方同士で、互いに情報を交換できるように致します。

宿泊先:辰口温泉 まつさき旅館
〒923-1245 石川県能美市辰口町3-1 tel 0761-51-3111
注:宿泊料は約13000円です(朝夕食付き)。

宿泊の申し込みは以下のURLで受け付けています。
http://bioinfo.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/~ken/sigmbi/reserve.html
30?40人程度のキャパシティなので、できるだけ早めに御予約下さい。
締め切りは、宿泊・講演申し込みともに3月8日(金)です。

研究会のみ参加(講演宿泊共になし)の場合:無料。参加登録の必要もありません。

問い合わせ先(世話人): 佐藤賢二 ken@t.kanazawa-u.ac.jp
金沢大学 理工研究域 電子情報学系
プログラム
13:00-13:25
○小長谷明彦(東京工業大学)

分子ロボティクス:現状と課題

2012年度より、科研費新学術領域「分子ロボティクス」が始動した。分子ロボティクスでは、ボトムアップ手法により、システムを分子デバイスから自己組織化する手法の確立を目指す。本講演では、分子ロボティクス研究の現状と戦略について述べる。
http://www.molecular-robotics.org/
http://link.springer.com/article/10.1007/s00354-012-0121-z

13:25-14:05
○平塚祐一(北陸先端科学技術大学院大学)

分子ロボティクス:生体分子モーターを動力原としたマイクロマシン

生体の分子モーター「モータータンパク質」は大きさ数ナノメーターの分子で、ATPなどの化学エネルギーを効率よく運動エネルギーに変換する代表的な分子 機械である。生体内では筋収縮や細胞分裂や鞭毛運動など、我々の身近な生命現象に関与しており、この分子の応用利用が古くから期待されてきた。しかし、い ざこの分子を生体外に取り出し応用を試みると、分子の組み立て方法など問題が生じている。我々は微細加工技術(MEMS)や生体分子の自己集積能を利用す ることでこの問題を解決し、モータータンパク質で駆動する微小回転モーターや生物の保護色機能を模倣したモータータンパク質で表示される光学素子の作成に 成功している。本研究会ではこれらの概要を報告する。

14:05-14:30
○広川貴次(産業技術総合研究所 生命情報工学研究センター 創薬分子設計チーム)

タンパク質の立体構造に基づくインシリコ創薬

計算機性能の向上、化合物情報のオープン化、構造生物学の発展等が相俟って、タンパク質の立体構造に基づくインシリコ創薬への期待が高まっている。本研究会では、現在取り組んでいる、いくつかの疾患に対するインシリコ創薬の事例を紹介する。

14:30:-14:45
休憩

14:45-15:10
○山下理宇(東北大学 東北メディカル・メガバンク機構)

東北メディカル・メガバンク事業とそのゲノム解析戦略

東北メディカルメガバンクは、震災復興事業を行うために東北大学に設置された機構である。事業の一つの柱として大規模コホート事業の検体を用 いたゲノム解析がある。このゲノム解析の戦略と現在の準備状況について紹介するとともに、諸問題について議論していきたい。

15:10-15:35
○荻島創一(東北大学 東北メディカル・メガバンク機構)

東北メディカル・メガバンク事業における情報基盤とデータ統合

東北メディカル・メガバンク事業は、健康・診療・ゲノム等の情報を生体試料と関連させたバイオバンクを構築し、創薬研究や個別化医療の基盤を形成、将来的 に得られる成果を被災地の住民の方々に還元することを目指す未来型医療の事業である。本事業において構築する、健康・診療・ゲノム等の情報を収集・保存・ 解析する情報基盤とそのデータ統合について、設計と現在の準備状況について紹介し、諸問題について議論する。

15:35-16:00
○川島秀一(ライフサイエンス統合データベースセンター)

菌株情報記述オントロジーとLODの構築

DBCLSでは、セマンティックウェブ技術を応用することで、生命科学分野のデータを、統合して効率よく利用するための基盤データの整備、および高度利用 環境の構築を目指している。その一環として、NBDC統合推進化プログラムの微生物統合グループと共同で、生物リソースセンターに蓄積された菌株情報の LOD化を行なっている。今回、その際の利用を目的としたオントロジー MCCV: Microbial Culture Collection Ontology を開発したので報告したい。このオントロジーを利用して菌株情報をLOD化することにより、すでに構築されている細菌ゲノム情報と菌株情報および、各種微 生物関連LODとを統合した検索が可能となった。

16:00-16:15
休憩

16:15-16:40
○中村昇太(大阪大学 微生物病研究所 附属遺伝情報実験センター ゲノム情報解析分野)

メタゲノム解析による感染症診断システムの開発

これまでの感染症の診断はそのほぼすべてが病原体特異的方法論で行われている。近年急速に発展している次世代シークエンシングによりメタゲノム解析能力が 向上し、その技術は環境中の新規遺伝子や微生物の探索に用いられている。我々はこのメタゲノム解析を応用した、病原体非特異的な網羅性のある検出法の方法 論開発を行っており、本研究会ではシークエンサーの進歩に合わせたシステム開発について紹介する。

16:40-17:05
○岩崎 渉、Thanet Praneenararat、高木 利久(東京大学大学院新領域創成科学研究科情報生命科学専攻)

インタラクティブ・マルチスケール・ネットワーク・ナビゲーション

近年の生命科学分野においては、オーミクスという言葉に代表されるように巨大なデータを扱うことがごく一般的となっている。これらの巨大データには様々な 形式のものが含まれるが、そのうち重要なものとして、遺伝子共発現やタンパク質相互作用など二項関係で記述されるデータが挙げられる。一般にこれらの二項 関係データは、節点とそれを結ぶ枝からなるグラフ(ネットワーク)の形で可視化されてきたが、こういったグラフ表現は枝の数がおおよそ100を上回ると極 度に複雑な外観を呈するようになり、そこから生命科学的な知識や仮説を引き出す上で効果的な表現手法とは言えなかった。この背景のもと、グラフ構造の密な 部分(モジュール)を階層的に発見する階層的グラフクラスタリング法と、生命科学データにしばしば見られる要素の性質に関する情報(遺伝子につけられる Gene Ontologyデータなど)を用いた意味的クラスタリング法とを組み合わせることで、巨大な生命科学二項関係データをマルチスケールかつ対話的にナビ ゲーションする手法を私たちは開発し、ウェブ上の地図サービスのような感覚でデータを可視化・解析できるソフトウェアを実装した。

17:05-17:30
○広瀬修(金沢大学 理工研究域 電子情報学系)

状態空間モデルを用いた超高次元逐次データに対するクラスタリング手法の開発

逐次データの解析にはクラスタリングがよく利用される.次世代シーケンサデータや遺伝子発現データでは,解析の対象となるデータの変数はしばしば数万個に 及び,欠損値が含まれることもある.そのようなデータに対して古典的な手法を用いてクラスタリング解析を行う場合,全ての変数間の距離計算を要する階層型 クラスタリングでは計算時間が膨大になり,k-means法では欠損値の処理が難しいという問題がある.このような問題を克服する手法として,状態空間モ デルを利用した方法が報告されている(Yamaguchi et al. 2007)[1].この方法は高次元の問題や欠損値の問題を巧妙に回避するという点で先駆的な研究であったが,各クラスタの凝縮度がやや低くなることやク ラスタに属する変数が重複しやすいという問題がある.本研究では,シグナル対ノイズ比(SN比)を用いて,凝縮度が高く,同時に変数の重複の少ないクラス タリング手法を開発することを目指す.

第51回 人工知能学会 分子生物情報研究会(SIG-MBI)

開催日 2012年11月15日(木)(合同研究会は15-17日開催)
場所  慶應義塾大学 日吉キャンパス來往舎

人工知能合同研究会

研究会テーマ 「分子ロボットが目指すべき知能とは何か?」

プログラム

13:00-13:25 ○小長谷明彦(東工大)「分子ロボットにおける「知能」とは何か」

アメーバのような単細胞生物には、もちろん、ヒトのような脳はない.
にもかかわらず、十分、食物を求めたり、敵から回避するなどの「賢い」行動をする.
はたして、分子ロボットがこのような「知能」を獲得することは原理的に
可能なのだろうか。可能ならば、どのような接近法があるのかについて問題提起する.

13:25-13:50 ○瀧ノ上正浩(東京工業大学)分子ロボットへの生物物理学的アプローチ

分子ロボティクスは物質集合体を自律的な物質システムにする工学技術である. 本講演では,生物物理学的観点から,自律的な物質システム構築にはどのような技術開発が必要とされるか,また,どのような新しい概念を導入すべきかということを議論したい.

13:50-14:15 ○小宮健(東京工業大学)分子ロボットの実現に向けたDNA論理ゲートの現状と課題

分子デバイスをシステム化する分子ロボティクスにおいて,塩基間の対合規則にしたがって会合するDNAは,要素反応を組み合わせて望みの情報処理をプログラムできる有用な分子である.本講演では,これまでに実装されたDNA論理回路の性能を比較・検討することで,今後の開発課題と展望を明らかにしたい.

4:15-14:40 ○川又生吹 (東京大学) 化学反応系の複雑さと分子ロボットの知能

分子ロボットの知能を測る指標として, 化学反応系の複雑さについて議論する. 具体例として,
グラフ書き換え系に基づくモデルと部分構造に基づく抽象モデルの構造数の違いに着目し, RNAiの複雑さを3種類に分類する.
いかなる抽象化によっても構造数が減らない系は本質的に複雑であると考えられる. さらに, 複雑さを表す評価関数を定義し,
系を計算機上で進化させることにより, より複雑な系を自動合成する可能性について議論する.

14:40-14:55 休憩

14:55-15:20 ○小林聡(電気通信大学) 分子ロボットに知性は実現できるか? --- 計算論的立場から---

現在の核酸配列をベースにした反応回路の現状を踏まえながら,計算論的な立場からその問題点を分析し,分子ロボットが知性を実現するために必要となる課題について考える.

15:20-15:45 ○鈴木泰博(名古屋大学)分子ロボティクスのための抽象化学系

抽象化学反応の立場から、分子ロボティクスの知能を反応の連鎖を介した情報処理(物質の変化)とみなす.本講演では抽象化学系の諸相の紹介を通して,分子ロボティクスの知能のあり方について考察する.

15:45-16:10 ○村田智(東北大学) システム論としての分子ロボティクス

分子ロボティクスは従来のロボティクスとどこが共通し,どこが異なるのか.この講演では,システム論とくに自律分散システム論の立場から,比較検討を試みる.

第50回 人工知能学会 分子生物情報研究会 (SIG-MBI)

日時:2012年10月15日(月) 午後2:00―5:30
場所:タワーホール船堀(東京都江戸川区船堀4-1-1)
4F 401号室(生命医薬情報学連合大会)
人工知能学会SIG-MBI研究会と分子ロボティクス研究会との共催
(生命医薬情報学連合大会ワークショップとして開催)

スケジュール:
PM
2:00−2:40 新学術領域「分子ロボティクス」領域代表
萩谷昌己(東京大学)
「分子コンピューティングから分子ロボティクスへ」

2:40-3:05
齊藤博英(京都大学)
「分子ロボティクスにおける感覚機能の実装にむけて」

15:05-15:30
小林聡(電気通信大学)
「知能を実現する化学反応回路の構築を目指して」

16:00-16:40 特別招待講演
大和雅之 (東京女子医科大学)
「再生医療本格化のための細胞シート工学」

16:40-17:05
小長谷明彦 (東京工業大学)
「「知能」を備えた細胞型ロボットを目指して」

17:05-17:30
村田智 (東北大学)
「化学反応場から分子ロボットへ」

第49回 人工知能学会 分子生物情報研究会 (SIG-MBI)

日時:2012年7月13日(金) 午後1:30―5:20
場所:情報通信研究機構(NICT) 未来ICT研究所(神戸)
第2研究棟3F 中会議室(アクセス)
主催:SIG-MBIとKARCコロキウムとの共催

スケジュール:
PM
1:30−2:10 研究会の趣旨説明 小長谷主査

2:10−3:10 Presentation 1
Oiwa Kazuhiro, Director General 大岩 和弘 所長

Title: Large-scale vortex lattice emerging from collectively moving
microtubules driven by axonemal dynein.
(軸糸ダイニンによる微小管滑り運動が創発する巨大な渦構造)

Abstract: The physics of active matter is a new emerging field dealing with
systems where energy is spent locally to produce persistent, directed
motion. Numerous situations are concerned, at all scales, in natural and
in man-made systems, from the collective displacement of large groups of
animals, swarms of robots without central control, bacteria and amoeba
colonies, cells in organs, down to the subcellular level where molecular
motors, transforming chemical energy into mechanical work, are in charge
of many transport processes and of the general, large-scale integrity of
the cell. It is in this last context that well-controlled in vitro
experiments on active matter are nowadays possible: purified biological
components extracted from living cells, are mixed in well-defined
conditions, giving rise to large-scale, self-organized, cooperative
phenomena, which can be observed, via fluorescent marking, under the
microscope.
We performed the in vitro motility assays consisted in putting
microtubules in contact with a high-density carpet of axonemal dynein
molecules grafted to a substrate. In presence of ATP, the dynein heads
attach to the microtubules and cooperatively move them around in a
smooth, steady, two-dimensional motion. In a few minutes, a lattice of
vortices spontaneously appear, which have a very large diameter (about
400 um) compared to the microtubule's length (about 10 um) and size of a
dynein molecule (about 50 nm).
The analysis of further experiments performed on isolated filaments and
the construction of a semi-quantitative mathematical model have allowed
to show that only two basic ingredients are at the origin of the
organized collective motion of millions of filaments forming the vortex
lattice: the smooth, reptation-like motion of isolated microtubules and
their physical collisions leading to nematic alignment.
This set of results constitutes a breakthrough in the field since it has
allowed to show clearly, on a real case, what often remains a belief,
albeit a well-grounded one, in theoretical statistical physics: a
minimal set of simple mechanisms is sufficient to account quantitatively
for complex emergent phenomena. Beyond this intellectual satisfaction,
these results have also an important potential relevance in biology, in
particular for understanding the formation of the plant cell cortex.
More generally, they could be exploited in the quest for novel biomaterials.

Break(10 min.)

3:20−4:20 Presentation 2
Leibnitz Kenji Senior Researcher, ライプニッツ・ケンジ 主任研究員

Title: Topological Comparison of Brain Functional Networks and Internet
Service Providers

Abstract: Network structures can be found in almost any kind of natural
or artificial systems as transport medium for communication between the
respective nodes. In this talk we study topological features of brain
functional networks and discuss similarities and differences of their
network measures to those of Internet service providers (ISPs).

4:20−5:20 Presentation 3
Naruse Yasushi Senior Researcher, 成瀬 康 主任研究員

Title: Nobel methods for extraction of brain information from
electroencephalogram.
(脳情報を脳波から抽出する技術の開発)

Abstract: Brain information communication technology (Brain ICT) is a
futuristic technology that aims to achieve freer, smoother
communications by extracting information from the brain and transmitting
it. To develop brain ICT, the first thing we need is a technology for
extracting brain information with high accuracy. We succeeded in
development of novel methods for extracting brain information that
relate to non-linear phenomena in the brain from single trials
electroencephalographic data.

脳情報通信技術というのは脳から情報をとりだし,それを通信することにより,
ブレインマシンインターフェースといったシステムを実現するための技術であ
る.脳情報通信技術の実現の為に,まず,はじめに確立するべき技術は,重要な
脳情報を脳から取り出す技術である.我々は脳内処理の過程で起こっていると思
われる非線形現象に伴う脳情報を単一試行脳波から取り出す技術の開発に成功した.

5:20− Closing

第48回 人工知能学会 分子生物情報研究会(SIG-MBI)(第15回オープンバ イオ研究会と共催)

日時:2012年3月23日(金) 13:40より
          24日(土) 15:00まで(予定)

場所:北陸先端科学技術大学院大学(JAIST) 知識科学研究科講義棟2F中講義室

内容:初日は SIG-MBI の研究発表です。特にテーマを限りませんので、奮って御応募下さい。

初日の発表希望者は、概要を以下の様式で佐藤 (ken@t.kanazawa-u.ac.jp) までお送り下さい。

著者(講演者に◯)、所属
代表者の連絡先
講演タイトル
講演概要(数行程度)
希望講演時間(分)

★ Subject: には必ず「発表希望」と御書き下さい。★

採択およびプログラム編成は世話人にご一任下さい。

二日目は、オープンバイオ研究会主体で、今年は
* バイオ版 Siri(仮称:クリックちゃん)開発について議論
* 4コマプレゼン(起承転結4枚のスライド)による発表
を中心に楽しく情報交換をしたいと考えています。

ここ1~2年で IBM の人工知能 Watson がクイズ王になり、iPhone に音声検索アシスタント Siri が搭載されるなど、大量情報をベースにしたクラウドのデータ統合処理と適切な回答にたどり着くための検索のインターフェイスが急速に進歩し身近になってきました。しかしバイオ分野ではちょっとした検索フォームをもつだけのデータベースが乱立し、適切な情報に辿りつくための統合的なシステムは、まだまだ開発途上です。

そこで、グランドチャレンジとして「Watson に対抗するバイオ版の Crick を開発する」という想定のもと、いま利用可能な要素技術や集積可能なデータを検討し、さらに専門家の問い合わせに応えるために今後必要となる課題を議論することで、近い将来には簡易版の「クリックちゃん」を、そう遠くない将来には「クリック先生」や何でも答えてくれる「クリック博士」を開発できるような未来を研究会のみなさんと模索できればと思います。

一見すると突拍子も無いテーマに思われるかもしれませんが、これを実現するためには大規模情報処理、クラウドコンピューティング、セマンティックウェブなど意味に基づいたデータの統合や推論、論文からの知識抽出を行うテキストマイニングや、学習セットとしてのアノテーション技術など、バイオインフォマティクスがこれから取り組むべき技術課題が山積しており、開発の過程で様々な途中成果が見込まれるゴール設定ではないかと考えています。

これとは別に、オープンバイオ研究会では参加者全員に「4コマプレゼン」形式による発表をお願いしています。内容はご自身の研究発表から、上記テーマに関連する技術調査や提案、何でも構いません。スライド4枚で簡潔に用意して頂ければと思います。

詳しい内容については、第15回オープンバイオ研究会のページ、
http://open-bio.jp/?meeting15
をご参照ください。皆様の積極的なご参加をお待ちしています。

JAISTへの道程:
http://www.jaist.ac.jp/general_info/access/

小松空港からJAISTへの移動について:
2010年12月1日から空港経由JAIST行きのバスが無くなってしまいましたが、
上記JAISTへの道程のページにある通り、JAIST送迎車が利用できるようになりました。
JAIST送迎車の利用を希望する方は、必ず下記の情報を佐藤までお知らせ下さい。
宿泊申込をされる方は、通信欄に書いて頂ければ結構です。
・利用する日
・飛行機の便名
・送迎車の便名(上記JAISTへの道程のページから辿れる送迎車運行表を参照)
・携帯電話の番号
但し、送迎車1便につき先着9名までなので、満席の場合はタクシー等に乗り合わせて
来て頂くことになります。タクシーに4人乗車すれば1人1500円程度で済みますので、
飛行機の便が確定している方は、事前に佐藤までメールでお知らせ下さい。同じ便に乗る方
同士で、互いに情報を交換できるように致します。

宿泊先:辰口温泉 まつさき旅館
〒923-1245 石川県能美市辰口町3-1 tel 0761-51-3111
注:宿泊料は約13000円です(朝夕食付き)。

宿泊の申し込みは以下のURLで受け付けています。
http://bioinfo.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/~ken/sigmbi/reserve.html
30?40人程度のキャパシティなので、できるだけ早めに御予約下さい。
締め切りは、宿泊・講演申し込みともに3月9日(金)です。

研究会のみ参加(講演宿泊共になし)の場合:無料。参加登録の必要もありません。

問い合わせ先(世話人): 佐藤賢二 ken@t.kanazawa-u.ac.jp
金沢大学 理工研究域 電子情報学系

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金沢大学 理工研究域 電子情報学系
佐藤賢二 ken@t.kanazawa-u.ac.jp

発表一覧
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「バイオインフォマティクス」を超えて
◯小長谷明彦(東京工業大学大学院 知能システム科学専攻)

1990年にヒトゲノム配列解析プロジェクトが開始されてからすでに22年経過した.
この間,バイオインフォマティクスは急激に進展し,専門の学会を形成するに
いたった.それと共に,人工知能学会においてバイオインフォマティクス研究を
推進する意義の見直しが求められている.
本講演ではバイオインフォマティクスを超えるためのビジョンについて私見を
述べる.
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Linked Open Dataによる希少・難治性疾患のデータ統合
◯荻島創一(東京医科歯科大学 難治疾患研究所 生命情報学分野),
森田瑞樹(医薬基盤研究所),
宮本直(東京医科歯科大学 難治疾患研究所 生命情報学分野),
西村由希子(NPO知的財産研究推進機構),
田中 博(東京医科歯科大学 難治疾患研究所 生命情報学分野)

次世代シークエンスの急速な技術開発により、ライフサイエンス分野では大規
模な分子生物データが急増し、一方でその種類も多様化しており、こうした大
規模で多様なデータをいかに統合し、データドリブンな疾患研究を実現するか
が大きな課題となっている。データ統合のフレームワークとして、近年、Linked
Open Dataによるデータ統合が急速に進展している。Linked Open Dataでは
誰もが自由にデータを公開することができ、オープンなコラボレーションによ
るイノベーションを期待することができる。そこで、我々はこのLinked Data
により、希少・難治性疾患のデータの統合を進めている。我々はこれをLinked
Open Rare Disease Data (LORDD)とよんでいる。LORDDにより、研究者、
医師、製薬企業の希少・難治性疾患研究の加速することが期待される。本発表
では、LORDDによるサービスのひとつとして、希少・難治性疾患研究の動向を
その疾患に関する発表論文により調査するサービスを紹介し、患者の研究者、
医師、製薬企業、行政との連携による希少・難治性疾患研究の想定されるユース
ケースを示す。
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生物学辞書のLinked Open Data化とその応用
◯加藤 文彦 (1),南 佳孝 (1),神保 宇嗣 (2),川本 祥子 (3),武田 英明 (4)
所属: 1. 情報・システム研究機構 新領域融合研究センター,
2. 東京大学大学院 総合文化研究科 広域科学専攻 広域システム科学系
3. ライフサイエンス統合データベースセンター,4. 国立情報学研究所

生物種名,すなわち学名や和名は生物学分野において多種多様なデータを
結びつけるキーとされている.しかし,実際には学名の表記揺れや変更,
複数の和名と学名の関係などにより,単純には結びつかない.著者らは,
日本の出版物や博物館所蔵標本等の情報を基に構築された生物種名と
学術用語の辞書である生物学辞書 (BDLS) をLinked Open Dataとして再
構成し,LODAC BDLSとして公開した.本発表ではその試みと応用例に
ついて,特に生物種名に焦点をあてて説明する.
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動物学データのRDF作成に向けて
◯川島武士(沖縄科学技術大学院大学 Marine Genomics Unit)

配列解読の技術の進展により、ゲノム配列を中心に多様な動物データが大量に
公開されるようになってきた。これらのデータを解析する際には、かつてのよ
うな分子生物学的な視点にとどまらず、進化学、行動学、生態学などの生物学
にとどまらず、地質や宇宙物理のデータとの関連性を考慮する必要性が生じて
いる。これらの動物学データの急速な増加と多様性に対応するために、動物学
データのRDF化とそのための具体的な案を示したい。
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メタゲノム環境オントロジーおよび細菌の培地オントロジーの開発
◯川島秀一(東京大学医科学研究所)

昨今のDNAシーケンサーの飛躍的な発達によって、環境サンプルに含まれるす
べての微生物集団のゲノムDNAを解読するメタゲノム解析が広く行われるよう
になっている。メタゲノムデータには多くの難培養菌を含む、未知微生物のゲ
ノム情報が含まれているため、サンプルに関する様々なメタ情報を整備するこ
との重要性が指摘されている。
このような背景から、ライフサイエンスデータベース統合推進事業・統合化推進
プログラムの「ゲノム・メタゲノム情報を基盤とした微生物DBの統合」プロジェ
クトでは、微生物ゲノム・メタゲノム情報の高度な統合を目指して、各種オント
ロジーの整備を進めている。その中で、すでに公開されたメタゲノムサンプルの
環境情報を記述するために開発されているオントロジー、MEO (Metagenome
/Microbes Environment Ontology) および、現在、構想中の細菌の培地情報の
オントロジーについて報告する。
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第47回 人工知能学会 分子生物情報研究会 (SIG-MBI)

人工知能学会 創立25周年記念 合同研究会・シンポジウムにて行います。

日時:2011年12月15日 12:30-16:00
場所:慶応義塾大学 日吉キャンパス 來往舎 中会議室

プログラム

12:30-12:40  小長谷主査挨拶

12:40-13:10  ネットワークプロファイリングによるがんシステムの多様性解析(島村 徹平)

13:10-13:40  極小活性パスウェイの列挙を用いた遺伝子ノックアウトの影響予測(宋 剛秀)

      休憩(10分)

13:50-14:20  次世代シークエンシングデータ向き局所アラインメント手法の開発(魯 魏)

14:20-14:50  Noetherの定理を用いた,離散Lotka-Volterra型非線形システムの保存量の導出と解析(上地 理沙)

休憩(10分)

15:00-15:30  脳波とfMRIの同時計測による睡眠中の脳活動(宮内 哲)

15:30-16:00  確率的モデル検査を用いた生命システムの振舞い解析(冨田 尭)

概要

ネットワークプロファイリングによるがんシステムの多様性解析
○島村 徹平(東京大学)
大量臨床検体のゲノム、トランスクリプトームの情報を含む網羅的トランスオミクスデータから、細胞の個性を考慮した遺伝子ネットワークモデルを構築し、それに基づいて癌の病態を規定するゲノム変異がもたらす細胞内システムの多様性を解析する方法について紹介する。

極小活性パスウェイの列挙を用いた遺伝子ノックアウトの影響予測
○宋 剛秀(新領域融合研究センター)、 井上克巳(国立情報学研究所)、 馬場知哉(新領域融合研究センター)、 高田豊行(国立遺伝学研究所)、 城石俊彦(国立遺伝学研究所)
近年になりモデル生物における代謝や遺伝子に関する既存の研究成果や知識がKEGGやEcoCycなどに 公開され利用可能になっている.本発表ではこのようなデータベースにおける生物ネットワークの 情報と極小活性パスウェイの列挙を用いた,大腸菌における遺伝子欠損の生育率への影響予測方法 の研究について紹介する.

次世代シークエンシングデータ向き局所アラインメント手法の開発
○魯 魏(京都大学)
次世代シーケンシングから得られる長さ500bp以下のロングリードと ショートリード配列を高精度にアラインメントできることを目的とし、リファレンス配列とクエリー配列の間の最長連続一致を見つけ出して、その最長連続一致の近傍の部分を取り出して、クエリー配列との局所アラインメントを行う手法を提案した。

Noetherの定理を用いた,離散Lotka-Volterra型非線形システムの保存量の導出と解析
○上地 理沙(京都大学)
生態系における,被食者ー捕食者間の関係を表すLotka-Volterra型の非線形システムは,リヤプノフ関数として保存量を持つことが知られてい る.そのような非線形システムに対し,Lagrangianの方法とNoetherの定理を適用することにより,導出される保存則がリヤプノフ関数と一致 することを明らかにし,新たな生態系に現れる非線形システムの保存量導出手法を提案する.また,この手法が非線形差分形システムでも成立することを証明 し,その遺伝子発現データに対する応用について紹介する.
脳波とfMRIの同時計測による睡眠中の脳活動
○宮内 哲(情報通信研究機構 神戸研究所)
機能的磁気共鳴画像(functional Magnetic Resonance Imaging: fMRI)と 脳波の同時計測システムを紹介し,このシステムを用いたレム睡眠中の急速 眼球運動に伴う視覚野の脳活動に関する研究と,傾眠時脳活動のネットワ ーク解析による研究を紹介する.

確率的モデル検査を用いた生命システムの振舞い解析
○冨田 尭(東京工業大学)
確率的モデル検査は、Markov連鎖などで与えられた確率的モデルが 確率時間論理などで記述された性質を満たすかを検証する手法である。 本研究では、既存の確率時間論理では直観的に表現できなかった 複雑な振舞いを記述するための確率時間論理とそのモデル検査アルゴリズムを提案する。