日時:2013年3月29日(金) 13:00より 30日(土) 15:00まで(予定) 場所:北陸先端科学技術大学院大学(JAIST) 知識科学研究科講義棟2F中講義室 内容:初日は SIG-MBI の研究発表です。特にテーマを限りませんので、奮って御応募下さい。 初日の発表希望者は、概要を以下の様式で佐藤 (ken@t.kanazawa-u.ac.jp) までお送り下さい。 著者(講演者に◯)、所属 代表者の連絡先 講演タイトル 講演概要(数行程度) 希望講演時間(分) ★ Subject: には必ず「発表希望」と御書き下さい。★ 採択およびプログラム編成は世話人にご一任下さい。 二日目は、オープンバイオ研究会主体で、近年の新しい技術動向を ふまえて、今年は「これからの生命情報科学を考える」をテーマに 4コマプレゼン(起承転結4枚のスライド)による発表と ディスカッションを行いたいと考えています。 前回の研究会(NGS現場の会・オープンバイオ研究会・ 生命情報科学若手の会・定量生物学の会 - 4会合同シンポジウム 「これからの生命科学を考える」)では、ドライ・ウェットの 両面から刺激的な発表が多数ありました。一方で、内容が多岐に わたったこと、時間が限られていたことから、もう少し議論を 深めたいという声もあったようです。 そこで今回は、オープンバイオと生命情報科学をメインにしつつ、 発表内容を相互にプレゼンした後、ディスカッション中心の ポスターセッションで議論を深め、最後に研究会の Wiki に 各自まとめて頂きたいと考えています。発表内容はご自身の 研究課題や上記テーマに関連する技術調査や提案など何でも 構いません。スライド4枚のプレゼンに簡潔にまとめてご参加 頂ければと思います(各自、電子版と印刷版をお持ちください)。 JAISTへの道程: http://www.jaist.ac.jp/general_info/access/ 小松空港からJAISTへの移動について: JAIST送迎車(上記URL参照)の利用を希望する方は、必ず下記の情報を佐藤までお知らせ下さい。宿泊申込をされる方は、通信欄に書いて頂ければ結構です。 ・利用する日 ・飛行機の便名 ・送迎車の便名(上記JAISTへの道程のページから辿れる送迎車運行表を参照) ・携帯電話の番号 但し、送迎車1便につき先着9名までなので、満席の場合はタクシー等に乗り合わせて来て頂くことになります。タクシーに4人乗車すれば1人1500円程度で済みますので、飛行機の便が確定している方は、事前に佐藤までメールでお知らせ下さい。同じ便に乗る方同士で、互いに情報を交換できるように致します。 宿泊先:辰口温泉 まつさき旅館 〒923-1245 石川県能美市辰口町3-1 tel 0761-51-3111 注:宿泊料は約13000円です(朝夕食付き)。 宿泊の申し込みは以下のURLで受け付けています。 http://bioinfo.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/~ken/sigmbi/reserve.html 30?40人程度のキャパシティなので、できるだけ早めに御予約下さい。 締め切りは、宿泊・講演申し込みともに3月8日(金)です。 研究会のみ参加(講演宿泊共になし)の場合:無料。参加登録の必要もありません。 問い合わせ先(世話人): 佐藤賢二 ken@t.kanazawa-u.ac.jp 金沢大学 理工研究域 電子情報学系 プログラム 13:00-13:25 ○小長谷明彦(東京工業大学) 分子ロボティクス:現状と課題 2012年度より、科研費新学術領域「分子ロボティクス」が始動した。分子ロボティクスでは、ボトムアップ手法により、システムを分子デバイスから自己組織化する手法の確立を目指す。本講演では、分子ロボティクス研究の現状と戦略について述べる。 http://www.molecular-robotics.org/ http://link.springer.com/article/10.1007/s00354-012-0121-z 13:25-14:05 ○平塚祐一(北陸先端科学技術大学院大学) 分子ロボティクス:生体分子モーターを動力原としたマイクロマシン 生体の分子モーター「モータータンパク質」は大きさ数ナノメーターの分子で、ATPなどの化学エネルギーを効率よく運動エネルギーに変換する代表的な分子 機械である。生体内では筋収縮や細胞分裂や鞭毛運動など、我々の身近な生命現象に関与しており、この分子の応用利用が古くから期待されてきた。しかし、い ざこの分子を生体外に取り出し応用を試みると、分子の組み立て方法など問題が生じている。我々は微細加工技術(MEMS)や生体分子の自己集積能を利用す ることでこの問題を解決し、モータータンパク質で駆動する微小回転モーターや生物の保護色機能を模倣したモータータンパク質で表示される光学素子の作成に 成功している。本研究会ではこれらの概要を報告する。 14:05-14:30 ○広川貴次(産業技術総合研究所 生命情報工学研究センター 創薬分子設計チーム) タンパク質の立体構造に基づくインシリコ創薬 計算機性能の向上、化合物情報のオープン化、構造生物学の発展等が相俟って、タンパク質の立体構造に基づくインシリコ創薬への期待が高まっている。本研究会では、現在取り組んでいる、いくつかの疾患に対するインシリコ創薬の事例を紹介する。 14:30:-14:45 休憩 14:45-15:10 ○山下理宇(東北大学 東北メディカル・メガバンク機構) 東北メディカル・メガバンク事業とそのゲノム解析戦略 東北メディカルメガバンクは、震災復興事業を行うために東北大学に設置された機構である。事業の一つの柱として大規模コホート事業の検体を用 いたゲノム解析がある。このゲノム解析の戦略と現在の準備状況について紹介するとともに、諸問題について議論していきたい。 15:10-15:35 ○荻島創一(東北大学 東北メディカル・メガバンク機構) 東北メディカル・メガバンク事業における情報基盤とデータ統合 東北メディカル・メガバンク事業は、健康・診療・ゲノム等の情報を生体試料と関連させたバイオバンクを構築し、創薬研究や個別化医療の基盤を形成、将来的 に得られる成果を被災地の住民の方々に還元することを目指す未来型医療の事業である。本事業において構築する、健康・診療・ゲノム等の情報を収集・保存・ 解析する情報基盤とそのデータ統合について、設計と現在の準備状況について紹介し、諸問題について議論する。 15:35-16:00 ○川島秀一(ライフサイエンス統合データベースセンター) 菌株情報記述オントロジーとLODの構築 DBCLSでは、セマンティックウェブ技術を応用することで、生命科学分野のデータを、統合して効率よく利用するための基盤データの整備、および高度利用 環境の構築を目指している。その一環として、NBDC統合推進化プログラムの微生物統合グループと共同で、生物リソースセンターに蓄積された菌株情報の LOD化を行なっている。今回、その際の利用を目的としたオントロジー MCCV: Microbial Culture Collection Ontology を開発したので報告したい。このオントロジーを利用して菌株情報をLOD化することにより、すでに構築されている細菌ゲノム情報と菌株情報および、各種微 生物関連LODとを統合した検索が可能となった。 16:00-16:15 休憩 16:15-16:40 ○中村昇太(大阪大学 微生物病研究所 附属遺伝情報実験センター ゲノム情報解析分野) メタゲノム解析による感染症診断システムの開発 これまでの感染症の診断はそのほぼすべてが病原体特異的方法論で行われている。近年急速に発展している次世代シークエンシングによりメタゲノム解析能力が 向上し、その技術は環境中の新規遺伝子や微生物の探索に用いられている。我々はこのメタゲノム解析を応用した、病原体非特異的な網羅性のある検出法の方法 論開発を行っており、本研究会ではシークエンサーの進歩に合わせたシステム開発について紹介する。 16:40-17:05 ○岩崎 渉、Thanet Praneenararat、高木 利久(東京大学大学院新領域創成科学研究科情報生命科学専攻) インタラクティブ・マルチスケール・ネットワーク・ナビゲーション 近年の生命科学分野においては、オーミクスという言葉に代表されるように巨大なデータを扱うことがごく一般的となっている。これらの巨大データには様々な 形式のものが含まれるが、そのうち重要なものとして、遺伝子共発現やタンパク質相互作用など二項関係で記述されるデータが挙げられる。一般にこれらの二項 関係データは、節点とそれを結ぶ枝からなるグラフ(ネットワーク)の形で可視化されてきたが、こういったグラフ表現は枝の数がおおよそ100を上回ると極 度に複雑な外観を呈するようになり、そこから生命科学的な知識や仮説を引き出す上で効果的な表現手法とは言えなかった。この背景のもと、グラフ構造の密な 部分(モジュール)を階層的に発見する階層的グラフクラスタリング法と、生命科学データにしばしば見られる要素の性質に関する情報(遺伝子につけられる Gene Ontologyデータなど)を用いた意味的クラスタリング法とを組み合わせることで、巨大な生命科学二項関係データをマルチスケールかつ対話的にナビ ゲーションする手法を私たちは開発し、ウェブ上の地図サービスのような感覚でデータを可視化・解析できるソフトウェアを実装した。 17:05-17:30 ○広瀬修(金沢大学 理工研究域 電子情報学系) 状態空間モデルを用いた超高次元逐次データに対するクラスタリング手法の開発 逐次データの解析にはクラスタリングがよく利用される.次世代シーケンサデータや遺伝子発現データでは,解析の対象となるデータの変数はしばしば数万個に 及び,欠損値が含まれることもある.そのようなデータに対して古典的な手法を用いてクラスタリング解析を行う場合,全ての変数間の距離計算を要する階層型 クラスタリングでは計算時間が膨大になり,k-means法では欠損値の処理が難しいという問題がある.このような問題を克服する手法として,状態空間モ デルを利用した方法が報告されている(Yamaguchi et al. 2007)[1].この方法は高次元の問題や欠損値の問題を巧妙に回避するという点で先駆的な研究であったが,各クラスタの凝縮度がやや低くなることやク ラスタに属する変数が重複しやすいという問題がある.本研究では,シグナル対ノイズ比(SN比)を用いて,凝縮度が高く,同時に変数の重複の少ないクラス タリング手法を開発することを目指す.