第58回 人工知能学会 分子生物情報研究会(SIG-MBI)

SIG-MBI@Grand Front Osaka(GFO)

[日時] 7月31日(金)13:00-20:30

講演会:13:00-18:00、懇親会:18:30-20:30

[場所] GFO 北館タワーC 9F910 NICT会議室(大阪市北区大深町3-1)

[プログラム]

13:00       開会

13:00-13:50

講演1 小長谷 明彦 (東京工業大学・新学術領域分子ロボティクスアメーバ班代表)s007

題名:「アメーバ型分子ロボット開発の現状

概要:新学術領域「分子ロボティクス」では生体分子を用いて知能と感覚を備えた分子ロボットの研究を進めている。現在開発中の分子ロボットの一つで あるアメーバ型分子ロボットは細胞サイズのリポソームで構成され、分子アクチュエータ、分子センサーおよび分子コントローラを備えている。分 子アクチュエータは分子モーターや微小管から構成される。分子センサーはDNAオリガミで構成され、外部信号をDNA断片に変換する。分子コ ントローラはDNA計算技術を用いてDNA断片を増幅し、分子アクチュエータを制御する。各要素技術は既に開発済みであり、現在、システム統 合化のための要素技術の摺合せに注力している。また、このようなアメーバ型分子ロボットの設計を支援するために実時間可視化シミュレーション システムを構築中である。

 

13:50-14:40

講演2 Ferdinand Peper (NICT脳情報通信融合研究所)

s001

題名:「Stochastic Swarms and their Information Processing

概要: Stochastic swarms are autonomously operating agents that are extremely simple, yet able to conduct cooperative tasks. Their small size makes them susceptible to phenomena on micro-scales such as Brownian motion. In addition, the agents have an extremely limited amount of energy available to drive their operations. We discuss operational principles of stochastic swarms, and illustrate their possible use in molecular robotics and micro-scale sensor networks.

 

(休憩10分)

 

14:50-15:40

講演3 佐藤 彰洋(京都大学情報学研究科)s002

題名:「ウイルス伝搬の数理モデル化とデータ駆動型シミュレーション

概要: ネットワーク上での遅れ確率SIRモデルを用いた感染症伝搬の数理モデルを提案する。2014年西アフリカでのエボラ出血熱の拡散について、実際の航空ネットワークデータおよび人口データ、WHOによる感染者数と死亡者数の公表値を用いた拡散のシナリオシミュレーションを行った。その結果、自己増殖率を先進国において極めて小さくできたとしても、発展途上国での自己増殖率が2に近い場合には、パンデミックを起こさないようにすることは先進国だけの努力ではできないことがわかった。

 

15:40-16:30

講演4 篠崎 隆志(NICT脳情報通信融合研究所)s003

題名:「ディープラーニングによるデータ解析と学習表現

概要: ディープラーニングとは脳の仕組みを模した多層ニューラルネットワークにおける機械学習の仕組みである.本発表ではディープラーニングによる画像解析などの実例を紹介し、解析における学習表現の重要性について解説する。さらに人間のような柔軟な解析を可能とする、教師なし学習と教師あり学習を自在に切り替え可能な、新しいディープラーニングの手法である先行伝播学習法について紹介する。

 

(休憩10分)

 

16:40-17:30

講演5 澤井 秀文(NICTユニバーサルコミュニケーション研究所)s006

題名:「新しいスモールワールド・ネットワークの創発と実世界応用

概要: 複雑ネットワークは脳におけるニューロン同士を結ぶシナプスネットワーク、遺伝子ネットワーク等の生命システム、情報通信ネットワーク等の人工システム等、自然界と人工世界に遍く存在している。これらをモデル化した複雑ネットワークの研究は、主にスケールフリー・ネットワークとスモールワールド・ネットワークの研究を中心に行われてきたといって過言ではない。本講演では、蟻の採餌行動からヒントを得て、新しく提案したマルチスター型のスモールワールド・ネットワークの自己組織的な創発方法と、数学的な解析方法、階層化の方法とその解析方法、情報通信システムとロジスティクス分野を中心とした実世界応用などについて述べる。

 

17:30-18:00 総合討論(全員)

18:00                         閉会

18:30-20:30 懇親会(梅田周辺で会費:3000円程度を予定)