人工知能学会 創立25周年記念 合同研究会・シンポジウムにて行います。 日時:2011年12月15日 12:30-16:00 場所:慶応義塾大学 日吉キャンパス 來往舎 中会議室 プログラム 12:30-12:40 小長谷主査挨拶 12:40-13:10 ネットワークプロファイリングによるがんシステムの多様性解析(島村 徹平) 13:10-13:40 極小活性パスウェイの列挙を用いた遺伝子ノックアウトの影響予測(宋 剛秀) 休憩(10分) 13:50-14:20 次世代シークエンシングデータ向き局所アラインメント手法の開発(魯 魏) 14:20-14:50 Noetherの定理を用いた,離散Lotka-Volterra型非線形システムの保存量の導出と解析(上地 理沙) 休憩(10分) 15:00-15:30 脳波とfMRIの同時計測による睡眠中の脳活動(宮内 哲) 15:30-16:00 確率的モデル検査を用いた生命システムの振舞い解析(冨田 尭) 概要 ネットワークプロファイリングによるがんシステムの多様性解析 ○島村 徹平(東京大学) 大量臨床検体のゲノム、トランスクリプトームの情報を含む網羅的トランスオミクスデータから、細胞の個性を考慮した遺伝子ネットワークモデルを構築し、それに基づいて癌の病態を規定するゲノム変異がもたらす細胞内システムの多様性を解析する方法について紹介する。 極小活性パスウェイの列挙を用いた遺伝子ノックアウトの影響予測 ○宋 剛秀(新領域融合研究センター)、 井上克巳(国立情報学研究所)、 馬場知哉(新領域融合研究センター)、 高田豊行(国立遺伝学研究所)、 城石俊彦(国立遺伝学研究所) 近年になりモデル生物における代謝や遺伝子に関する既存の研究成果や知識がKEGGやEcoCycなどに 公開され利用可能になっている.本発表ではこのようなデータベースにおける生物ネットワークの 情報と極小活性パスウェイの列挙を用いた,大腸菌における遺伝子欠損の生育率への影響予測方法 の研究について紹介する. 次世代シークエンシングデータ向き局所アラインメント手法の開発 ○魯 魏(京都大学) 次世代シーケンシングから得られる長さ500bp以下のロングリードと ショートリード配列を高精度にアラインメントできることを目的とし、リファレンス配列とクエリー配列の間の最長連続一致を見つけ出して、その最長連続一致の近傍の部分を取り出して、クエリー配列との局所アラインメントを行う手法を提案した。 Noetherの定理を用いた,離散Lotka-Volterra型非線形システムの保存量の導出と解析 ○上地 理沙(京都大学) 生態系における,被食者ー捕食者間の関係を表すLotka-Volterra型の非線形システムは,リヤプノフ関数として保存量を持つことが知られてい る.そのような非線形システムに対し,Lagrangianの方法とNoetherの定理を適用することにより,導出される保存則がリヤプノフ関数と一致 することを明らかにし,新たな生態系に現れる非線形システムの保存量導出手法を提案する.また,この手法が非線形差分形システムでも成立することを証明 し,その遺伝子発現データに対する応用について紹介する. 脳波とfMRIの同時計測による睡眠中の脳活動 ○宮内 哲(情報通信研究機構 神戸研究所) 機能的磁気共鳴画像(functional Magnetic Resonance Imaging: fMRI)と 脳波の同時計測システムを紹介し,このシステムを用いたレム睡眠中の急速 眼球運動に伴う視覚野の脳活動に関する研究と,傾眠時脳活動のネットワ ーク解析による研究を紹介する. 確率的モデル検査を用いた生命システムの振舞い解析 ○冨田 尭(東京工業大学) 確率的モデル検査は、Markov連鎖などで与えられた確率的モデルが 確率時間論理などで記述された性質を満たすかを検証する手法である。 本研究では、既存の確率時間論理では直観的に表現できなかった 複雑な振舞いを記述するための確率時間論理とそのモデル検査アルゴリズムを提案する。