月別アーカイブ: 2018年2月

第65回 人工知能学会 分子生物情報研究会(SIG-MBI)

第65回 人工知能学会 分子生物情報研究会(SIG-MBI)(オープンバイオ研究会と共催)(第53回 情報処理学会 バイオ情報学研究会と連続開催)

日時:2018年3月8日(木) 14:00より
9日(金) 12:00まで(予定)

場所:北陸先端科学技術大学院大学(JAIST) 知識科学研究科講義棟2F中講義室

内容:特にテーマを限りませんので、奮って御応募下さい。

初日の発表希望者は、概要を以下の様式で佐藤 (ken@t.kanazawa-u.ac.jp) までお送り下さい。

著者(講演者に◯)、所属
代表者の連絡先
講演タイトル
講演概要(数行程度)
希望講演時間(分)

★ Subject: には必ず「発表希望」と御書き下さい。★

採択およびプログラム編成は世話人に御一任下さい。

昨年と同様に、今回も同じ場所で3つの研究会を連続して開催します。分子生
物情報研究会は3月8日(木)に、オープンバイオ研究会は3月9日(金)に、
バイオ情報学研究会は3月9日(金)から10日(土)にかけて開催します。
2泊すれば3つの研究会に参加でき、基礎から応用まで幅広い発表が聞けると
思いますので、奮って御参加下さい。

オープンバイオ研究会については、詳しくはhttp://open-bio.jp/をご参照下さい。

バイオ情報学研究会については、詳しくはhttp://www.ipsj.or.jp/kenkyukai/event/bio53.htmlをご参照下さい。

JAISTへの道程:
https://www.jaist.ac.jp/top/access/

小松空港や小松駅からJAISTへの移動について:

注)小松空港からJAISTへの直行便は廃止され、小松駅からJAISTへの便に統合されました。
JAIST送迎車(上記URL参照)の利用を希望する方は、必ず下記の情報を佐藤までお知らせ下さい。
宿泊申込をされる方は、通信欄に書いて頂ければ結構です。
・利用する日
・飛行機または列車の便名
・送迎車の便名(上記JAISTへの道程のページから辿れる送迎車運行表を参照)
・携帯電話の番号
但し、送迎車1便につき先着9名までなので、満席の場合はタクシー等に乗り合わせて
来て頂くことになります。タクシーに4人乗車すれば1人2000円程度で済みますので、
飛行機の便が確定している方は、事前に佐藤までメールでお知らせ下さい。同じ便に乗る方
同士で、互いに情報を交換できるように致します。

宿泊先:辰口温泉 まつさき旅館
〒923-1245 石川県能美市辰口町3-1 tel 0761-51-3111
注:宿泊料は約13000円です(朝夕食付き)。

宿泊の申し込みは以下のURLで受け付けています。
http://bioinfo.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/~ken/sigmbi/reserve.html
30〜40人程度のキャパシティなので、できるだけ早めに御予約下さい。
締め切りは、宿泊・講演申し込みともに3月2日(金)です(延長しました)

研究会のみ参加(講演宿泊共になし)の場合:無料。参加登録の必要もありません。

問い合わせ先(世話人): 佐藤賢二 ken@t.kanazawa-u.ac.jp
金沢大学 理工研究域 電子情報学系

発表予定者リスト(順不同・順次追加します)

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14:00-14:40
分子ロボット倫理:何故、今、ガイドライン策定を必要とするのか?

◯小長谷明彦(東京工業大学)

分子ロボティクスの研究は日進月歩であり、新学術領域研究「分子ロボティク
ス」(2012-2016)終了後も後継プロジェクトを中心に様々な技術革新が続いて
いる。分子ロボットの応用領域の一つに分子ロボット創薬や分子ロボット再生
医療が挙げられているが、生体に投与するためには「分子ロボットガイドライ
ンの策定」が不可欠である。将来的なガイドライン策定に向けた道筋について
述べる。

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14:40-15:10
新代謝経路発見のための仮想代謝ネットワーク生成について

○太田潤(岡山大学)

新酵素反応・代謝経路の候補を挙げるために、既知の酵素反応の性質を一部保
持する仮想反応を作り、それらを含む仮想代謝ネットワークで経路計算を行う
アイディアを2007年から順次発表してきた。この実現に必要な、多数の仮想反
応から実際に起こり得る反応を選択するステップにAIを使えばよいという示唆
をAPBC2018でいただいた。自ら解きたいが共有すべき課題でもあると思うので、
仮想代謝ネットワークとその分類の考え方を、そこに至った過程も含めて紹介
する。

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15:10-15:20 休憩
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15:20-15:40
マルチオミクス解析で迫る造網性蜘蛛の糸デザイン

◯河野暢明1・吉田祐貴1・藤原正幸1・中村浩之2・大利麟太郎2・篠原麻夏2・
Daniel Pedrazzoli2・冨田勝1・荒川和晴1
1:慶應義塾大学先端生命科学研究所
2:Spiber(株)

造網性の蜘蛛の中でもコガネグモ上科に属する蜘蛛は多様な性質の蜘蛛糸を場
面に合わせて使い分けており、その性質や多様性は生態学的・産業的・進化的
に沢山の興味を引きつけている。しかしながら物性の多様性と糸タンパクの組
成との関係性は未だに不明瞭であり、またその能力がクモ全体でどれほど保存
されているのかは知られていない。そこで我々はコガネグモ上科の中でも大型
で日本標準種のオニグモのゲノムを初めて整備し、transcriptomeやproteome
解析を組合わせたマルチオミクス解析による蜘蛛糸物性の関連因子を探索し、
その進化的保存性を見た。本発表ではそこで得られた蜘蛛糸遺伝子の特徴や糸
物性に関与する因子に関して紹介する。

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15:40-16:10
比較ゲノム解析による極限環境微生物の紫外線耐性関連遺伝子の網羅的探索

◯荒川和晴(慶應義塾大学先端生命科学研究所)

オゾン層形成以前の太古地球では太陽から放出される宇宙線や紫外線が降り注
ぎ、生命の地表進出を妨げる一因になっていたと考えられる。同様の環境は地
球外惑星においても普遍的であり、生命の起源や進化、また、地球外生命の探
索や進出などといったアストロバイオロジーの各論において、生命の紫外線耐
性機構は避けて通れない問題である。微生物の紫外線耐性は長年に渡り、主に
紫外線耐性菌Deinococcus radioduransの解析を通じてこの生物が持つ色素や高
いDNA修復能力の関与が示唆されてきたが、近年のノックアウト解析の結果いず
れもが否定され、現在では細胞内マンガンの酸化還元機構が有力な仮説として
提唱されている。だが、D. radioduransのみに着目した解析では比較解析が困
難である点から限界がある。そこで、我々はKocuria・Arthrobacter属の近縁な
がらも、大腸菌レベルの低い紫外線耐性からD.radioduransに匹敵するまでの高
い紫外線能力まで幅広く耐性能が分布する24株の微生物(線量300J/m2でUV-C
254 nmを照射した時の生存率が約0.001%から50%と大きく異なる)をアメリカ大
陸の砂漠から単離し、これらの全ゲノム解析によって産生する色素及びマンガ
ン代謝関連酵素が耐性に寄与している可能性を、遺伝子レベルの系統樹を用い
た決定木解析及び比較ゲノム解析によって探索した。その結果は、現状細胞内
マンガンの酸化還元仮説を支持している。

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16:10-16:30
Meta-analysis of hypoxic transcriptomes from public databases

◯坊農秀雅(情報・システム研究機構 データサイエンス共同利用基盤施設 
ライフサイエンス統合データベースセンター)

公共遺伝子発現データベース(DB)、NCBI Gene Expression OmnibusとEBI
ArrayExpressには、従来のマイクロアレイによる発現データだけでなく、次世
代シークエンサーから得られたトランスクリプトーム配列解読(RNA-seq)によ
る発現データも徐々に蓄積しつつあり、その利用価値が高まっている。
我々は、公共DB中の遺伝子発現データをメタ解析することによって、実験グルー
プや実験条件が違っていても、常酸素に比べて低酸素下で発現が変化する遺伝
子群を見出してきた。具体的には、低酸素に関係する発現データが多数登録さ
れている生物種であるヒトとマウスにおいてそれぞれ、同一のマイクロアレイ
プラットフォーム(Affymetrix GeneChip)において低酸素刺激前後のデータを
選び出し、さまざまなグループによる多様な実験条件下で遺伝子発現が変化
(発現上昇/下降)する遺伝子群の抽出を行い、生物種ごとに得られたデータ
を可視化してきた。さらに、RNA-seqによる低酸素刺激によるトランスクリプ
トームデータが公共DB中に蓄積してきたことからその検討を行い、ヒト培養細
胞のみではあるが複数の実験グループによるデータが得られた。それらに対し
て同様に発現定量し、マイクロアレイによるそれとの比較検討を行ったので、
その結果を報告する。
Ref: https://doi.org/10.1101/267310

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