参加申し込みは こちら からお願いします(当日参加歓迎) 日時:2013年7月26日(金) 場所:東京工業大学田町キャンパス(田町CIC)5階501・502 http://www.cictokyo.jp/access.html 世話人 小林聡 (電通大) kobayashi 小長谷明彦 (東工大) konagaya 講演プログラム 1:00-1:30 小林聡(電通大) 「DNA論理回路の現状と課題」 核酸配列を用いて情報処理を行うためのさまざまなアイデアがこれまで提案されている.本講演では,これまでの DNA論理回路に関する研究とそこで用いられている技術の現状を概観し,分子ロボットで回路を組み込んで利用するために障害となっている問題点を明らかにする. 1:30-2:10 横森貴(早大) 「化学反応系の計算モデル : 反応オートマトンについて」 化学反応系のモデリングを目的とした形式的体系として反応システム(Reaction System)が知られている.これは生体細胞内の化学反応系による様々な現象やその機能的性質を研究するための興味深い形式的枠組みである.我々は反応システムを基盤として,化学反応系による計算能力を探究するための計算モデルとして"反応オートマトン"(Reaction Automaton)を提案した.本発表では,反応オートマトンの計算領域に関する複雑性を導入して得られる幾つかの領域計算量のクラスを考察し,それらの計算能力を解析することにより,有限オートマトンからチューリング機械に至る既知の計算モデルの能力との関係を明らかにする.また幾つかの興味深い関連する話題についてふれる. 2:10-2:50 山内由紀子(九大) 「自律分散ロボット群によるパターン形成」 自律的な粒子群から成るシステムの自己組織化は,生物群の群行動など自然界において多く見られるとともに,ロボット群の制御理論など工学分野においても重要な問題である.本講演では,自律移動ロボット群の分散制御理論について紹介する.個々のロボットは,匿名,無記憶,非同期であり,共通の座標系を持たず,自身の座標系で他のロボットの位置を観測し,移動先を計算する.このように非常に弱い能力しか持たないロボット群の自己組織化能力を解明するために,ロボット群が形成可能なパターン,またバターン形成アルゴリズムの研究が行われている.本講演ではロボット群の非同期性,無記憶性,視界がパターン形成能力にどのような違いをもたらすのかについて紹介する. 2:50-3:10 休憩 3:10-3:50 井村順一(東工大) 「大規模複雑ネットワーク系の制御」 本講演では,可制御性,ロバスト性,可同定性の視点から,大規模複雑ネットワーク系のモデリングと制御に関する最近の研究トピックをいくつか紹介し,分子ロボティクスの制御工学的アプローチを探る. 3:50-4:30 望月祐志(立教大学) 「フラグメント分子軌道(FMO)計算の現状と今後」 フラグメント分子軌道(FMO)法では、並列処理を駆使して実用時間で蛋白質や水和凝集系を全量子論的に計算することが可能です。FMO計算ではフラグメント間相互作用エネルギーが直截に得られるために、特に創薬分野でファーマコフォアでのリガンドと周辺アミノ酸残基との結合安定化の描像を得るのに重用されてきました。また、DNA内の塩基対やスタック状態の安定化を定量的に評価するのにも好適です。 今回のトークでは、FMO計算プログラムとして独自開発しているABINIT-MP(X)の機能を紹介し、先導的かつ実証的な応用事例をお示しします。さらに、京などのHPCI資源の有効活用、ナノバイオの境界問題への取り組みなど、今後の展開についても触れさせていただきます。 4:30-5:00 小長谷明彦(東工大) 「分子ロボティクスの理論・システム研究への期待」 分子ロボティクスは生化学とロボティクスを背景とした境界領域研究であり、その理論・システム研究は未だ黎明期にある。本講演では、新学術領域「分子ロボティクス」を推進する立場から、分子ロボティクスの理論・システム研究に期待すること、ならびに、議論のたたき台としてのグランドチャレンジ素案について述べる。